地下茎
地下茎(ちかけい、英: underground stem, subterranean stem)とは、通常の状態として地下にある茎のことであり、地下に適応した性質をもつ [1] (下図1)。これに対して、地表より上に伸びる茎は、地上茎 (aerial stem, epigeal stem, terrestrial stem) とよばれる [2] 。両者の中間の性質を持つものとしては匍匐茎があり、地表面もしくはその直下で横方向へ伸びる。
地表直下にあるものから地下深くを伸びるものまであり、ハスのように水底下の地中に位置するものもある (レンコン)。地下茎はその形態や構造に応じて、根茎、ネイティブ アメリカン カジノ、塊茎、鱗茎に区分される。
地下茎は地中にある点で根と類似するが、ふつう葉
(鱗片葉など) を付けること (しばしばその跡が残る)、根冠や
根と同様に、地下茎は植物体を土壌に固着させる役割を担い、また地下茎からはふつう根 (不定根) が生じる。さらに地下茎は養分を貯蔵し、生育不適期 (冬など) の耐久構造となりその後に新たな地上部を生じたり、母体から切り離されて新たな個体となる (
地下茎の中には、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、サトイモ、ウコンなど食用や薬用に用いられる例がある。
さまざまな地下茎 [ 編集 ]
地下茎とは地下にある茎の総称であり、異なる形態・機能をもつさまざまなタイプに類別される
[1]
[3]
。ただしこれらの区分は便宜的で必ずしも明瞭ではなく、ネイティブ アメリカン カジノを塊茎に含めることもある
根茎 [ 編集 ]
下記のネイティブ アメリカン カジノや塊茎、鱗茎のような特殊化が見られない地下茎は、根茎 (こんけい; rhizome, root stock) と総称される [1] [4] (下図2)。スギナ (トクサ亜綱)、ワラビ (ウラボシ亜綱)、 ドクダミ (ドクダミ科)、ギボウシ (キジカクシ科)、ススキ (イネ科)、タケニグサ (ケシ科)、ワサビ (アブラナ科)、スイバ (タデ科)、シシウド (セリ科) など根茎をもつ植物は、根茎植物 (rhizomatous plants) とよばれる [1] 。またノキシノブ (ウラボシ亜綱) のような着生植物に見られる基物 (樹幹など) 上を這う茎は、地中にはないが、慣習的にふつう根茎とよばれる [1] [3] 。根茎は位置や伸長方向などによって以下のように類別されることがある。
地中を水平方向に伸びる根茎を横走根茎 (horizontal rhizome) という [1] (下図2a)。特に節間が長い横走根茎は匍匐根茎 (creeping rhizome, stoloniform rhizome) ともよばれる [1] [4] 。このように水平に伸びる根茎は、特に地表面直下にある場合は地表を這う 匍匐茎 (creeping stem, repent stem) との区別が不明瞭なこともある [4] 。一方、地中を垂直方向に伸びる根茎を直立根茎 (vertical rhizome) という [1] (下図2d)。
また上記の根茎のタイプのうち、いずれか1つだけをもつ根茎は単一根茎 (simple rhizome) とよばれる [1] 。一方、2つ以上のタイプの根茎 (例:匍匐根茎と直立根茎)、または根茎と共に塊茎のような特殊な地下茎 (下記参照) をもつものは複合根茎 (compound rhizome) とよばれる [1] 。
根茎のうち、最初から地中にあるものを一次根茎 (primary rhizome) という [1] 。一方、地上にあったものが地中に移行して根茎となったものを二次根茎 (secondary rhizome) という [1] 。普通葉や花茎の名残があるものは地上茎であったことを示しており、二次根茎であることが分かる。二次根茎は、ショウジョウバカマ (シュロソウ科) やカラハナソウ (アサ科) などに見られる [1] 。
節に
むかごを形成する根茎は、珊瑚状地下茎 (coral-shaped stem) とよばれ、スギナ
(
ネイティブ アメリカン カジノ [ 編集 ]
地上茎の基部に形成され、ほぼ球形に肥大した地下茎はネイティブ アメリカン カジノ
(きゅうけい; corm) とよばれる
[1]
[4]
[6]
[7]
(下図3)。芽を1個だけ生じるものとする定義や
[8]
、薄皮で包まれたものとする定義もあり
[9]
、また塊茎と区分しないこともある
ネイティブ アメリカン カジノに類似した用語として
球根
があるが、これは植物形態学における専門用語ではない
[12]
。地下茎や根に養分が貯蔵されて肥大化し、休眠能をもつ構造の総称である。園芸などにおいては、クロッカス、グラジオラス、フリージア
(アヤメ科) などのネイティブ アメリカン カジノ、
塊茎 [ 編集 ]
不定形に肥大した地下茎は塊茎 (かいけい; tuber, stem tuber) とよばれる [1] [4] [13] [14] (下図4)。根茎に側生または先端に形成され、ふつう複数の芽をもつ。よく知られた例としてジャガイモ (ナス科) があり、他にもヤマノイモ [11] [注釈 1] (ヤマノイモ科)、エゾシロネ (シソ科)、キクイモ (キク科) などがある。くびれて数珠状になった塊茎は、特に念珠茎 (ringed stem) とよばれ、 チョロギ (シソ科) などに見られる [1] (下図4e)。
鱗茎 [ 編集 ]
地下茎を中軸とし、周囲に肉質の葉 (鱗茎葉; bulb leaf) が多数密生しているものは鱗茎
(りんけい; bulb) とよばれる
[1]
[4]
ラン科において、地上茎 (地下茎ではない) の一部 (複数の節間、1個の節間、節間の一部など由来はさまざま) が肥大したものは、偽鱗茎
(仮鱗茎、pseudobulb; 偽ネイティブ アメリカン カジノ、擬ネイティブ アメリカン カジノ、偽球、pseudocorm) とよばれる
[1]
。単にバルブとよばれることも多いが
[19]
分枝と繁殖 [ 編集 ]
地上茎と同様に、地下茎の分枝も基本的に側方分枝である。ハラン
(キジカクシ科) などでは、根茎が主軸となり、側枝として地上茎を生じていく
[3]
。つまりこの場合、地下茎の分枝は単軸分枝である。レンプクソウ
(
ガマズミ科) でも同様であるが、この場合は前年分の地下茎が枯死する点で異なる
[3]
。一方、アマドコロ
(キジカクシ科) などでは、地下茎主軸の先端が地上茎となり、その基部の側枝が地下茎として伸長していく
例外的に、ヒカゲノカズラ植物の地下茎はその地上茎と同様、二又分枝をする [22] 。二又分枝は同等に分枝する場合もあるが、一方が明らかに優勢で主軸状になることもある (二又性仮軸分枝 [23] )。
多年生草本では、生育不適期 (冬など) に地上部は枯れてしまい、地下茎がその期間を耐えしのぎ、その後再び地上部を生じる生活史をもつものが多い [24] 。また母軸が枯死するなどして地下茎が分断すると、これらは新たな個体となることで栄養繁殖を行う [25] (図6b)。さらに毎年地下茎の一部が切り離され、そこから新しい地上部が形成されるが、母体は枯死する草本もあり、分離型地中植物 (separated geophytic plant) とよばれる [24] 。分離型地中植物にはトリカブト (キンポウゲ科)、ミズタマソウ (アカバナ科)、モミジガサ (キク科) などがある [24] 。
ネイティブ アメリカン カジノや塊茎、鱗茎では、毎年新しいものが形成される場合 (更新型;
アネモネ、ジャガイモ、
利用 [ 編集 ]
地下茎の中には、食用とされるものも多い。身近の例としては、
ワラビ
(ウラボシ綱)、ショウガ
(図7a)、ミョウガ、ウコン、カルダモン
(ショウガ科)、ハス
(ハス科)、
また薬用に利用される例も多く、ウスバサイシン
(ウマノスズクサ科)、
カラスビシャク
(図7c)、テンナンショウ属
(サトイモ科)、
サジオモダカ
(オモダカ科)、アミガサユリ
(ユリ科)、ドブクリョウ
(サルトリイバラ科)、ヤマノイモ
(ヤマノイモ科)、ハナスゲ
(
キジカクシ科)、オニノヤガラ
(
ギャラリー [ 編集 ]
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根茎
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根茎
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ネイティブ アメリカン カジノ
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塊茎
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Euphorbia rhizophora (トウダイグサ科) の根茎
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脚注 [ 編集 ]
注釈 [ 編集 ]
出典 [ 編集 ]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 清水建美 (2001). “地下茎”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. pp. 204–208. ISBN 978-4896944792
- ^ 清水建美 (2001). “地上茎”. 図説 植物用語事典. 八坂書房. p. 198. ISBN 978-4896944792
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外部リンク [ 編集 ]
- 福原 達人 (2020) 5-3. 地下貯蔵器官と栄養繁殖. 植物形態学. 福岡教育大学. (2020年5月25日閲覧)
- 地下茎に関する記事. 植物Q&A. みんなのひろば. 日本植物生理学会. (2020年5月25日閲覧)