アブー・バクル・アル=バグダーディー
アブー・バクル・アル=バグダーディー أبو بكر البغدادي |
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ISILの「カリフ」 | |
2004年、米軍に拘束された際のバグダーディー
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在位 | 2014年 6月29日 - 2019年 10月26日 |
戴冠式 |
2014年
7月4日
イラク、モスル、ヌーリ・モスク [1] |
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全名 |
一覧参照
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出生 |
1971年
7月28日
イラク、 |
死去 |
2019年
10月26日(48歳没) シリア、イドリブ県 ハーレム郡 、 バリシャ |
配偶者 | サジャー・アッ=ドゥライミー(離婚) |
宗教 | イスラム教 スンナ派 |
アブー・バクル・アル=バグダーディー(アラビア語: أبو بكر البغدادي, Abū Bakr al-Baghdādī、1971年 7月28日 [2] - 2019年 10月26日)は、サラフィー・ジハード主義組織 ISILの指導者 [3] 、カリフ(自称、イスラム社会を含め国際社会で承認する動きはない)。別名はアブー・ドゥアー(アラビア語: أبو دعاء, Abū Duʿāʾ)。
通称としてアブー・バクル・アル=フサイニー・アル=クラシー・アル=バグダーディー(アラビア語:أبو بكر الحسيني القرشي البغدادي, Abū Bakr al-Ḥusaynī al-Qurashī al-Baghdādī、口語アラビア語発音:アブー・バクル・アル=フセイニー・アル=クラシー・アル=バグダーディー、英字表記例:Abu Bakr al-Husseini al-Qurashi al-Baghdadi)で知られる。
本名はイブラヒーム・アウワード・イブラヒーム・アリー・アル=バドリー・アッ=サーマッラーイー(アラビア語:إبراهيم عواد إبراهيم علي البدري السامرائي, Ibrāhīm ʿAwwād Ibrāhīm ʿAlī al-Badrī al-Sāmarrāʾī、英字表記例:Ibrahim Awwad Ibrahim Ali Al-Badri Al-Samarrai)とされている。
来歴 [ 編集 ]
青年期 [ 編集 ]
1971年、イラクのサーマッラー生まれ。預言者ムハンマドの出身部族であるクライシュ族の血を引くブーバドリー族の出身
[4]
2013年7月にインターネット上で回覧された聖戦主義者フォーラムの記述によれば、バグダードのイスラーム大学(現在の イラク大学 )でイスラーム学の学士・修士および博士号を取得している。一方で、取得したのは教育学の博士号だったという説もある [7] 。
元イラク副大統領のターリク・アル=ハーシミー(タリク・ハシミ)が得た情報によると、バグダーディーは2003年の イラク戦争時にはバアス党の党員として活動していたとされる [8] が、モスクで聖職者をしていたとする説もある [9] 。
2004年2月にアメリカ合衆国に対する抵抗組織の設立に関与した容疑で拘束され、
キャンプ・ブッカ
に収容される
[10]
。キャンプ・ブッカでの収容中に過激な思想の影響を受け、後のISILの主要メンバーとの人脈を築いたとされる
[8]
。12月に釈放されると、キャンプ・ブッカの仲間たちとともに
アブー・ムスアブ・アッ=ザルカーウィーのイラクの聖戦アル=カーイダ組織に加わる
テロリスト [ 編集 ]
釈放後、2006年にはムジャーヒディーン諮問評議会に加わり、「イラク・イスラム国」ではアミール(指導者)のアブー・ウマル・アル=バグダーディーの下で
2011年5月、ビン・ラーディンがカジノ バイト 東京されると声明を発表し、報復を宣言 [16] 。5月5日には 2011年ヒッラ爆弾テロ事件 を引き起こし、死者24人、負傷者72人を出し、8月15日には自爆テロで70人カジノ バイト 東京した [17] 。その後、バグダーディーはウェブサイト上で「今後100の都市でテロを実行する」と表明 [17] 。これを受け、アメリカ合衆国国務省は10月4日、バグダーディーの拘束に繋がる有益な情報に対して1,000万ドル(約10億円)の報奨金を支払うと発表した [18] [19] が、アメリカ軍のイラク撤退後に バグダードにて爆弾テロ事件 を引き起こし、60人以上の死者と160人以上の負傷者を出している [20] 。
自称カリフ [ 編集 ]
2013年4月8日、シリアの過激派組織
6月29日、イラク・シリアにまたがるイスラム国家「イスラム国」の建国とカリフへの即位を宣言した [23] 。「私はあなた方から支配権を担った。私はあなた方の中で最も優れているわけではない。私が正しい時には私を支援してくれ。私が悪かったなら私を正してくれ」「あなた方がアッラーとアッラーの使徒に従順であったように、私に従順であれ。私がアッラーとアッラーの使徒に逆らうような行為や態度を示すのなら、あなた方が私に従順である必要はない」と述べ、バグダーディーがシャリーアに従って行動する限り、支持するように呼びかけた [24] 。しかし、「イスラム国」を国家承認する国家は存在せず、また、イスラム教を信奉する中東諸国・神学者・歴史学者からは「国家樹立は無効」と批判を浴びた [25] [26] 。
11月8日、アメリカ合衆国及び有志国によるISILに対する空爆(生来の決意作戦)により、イラク北部のモースルにて死亡または負傷したとの報道がなされた [27] が、11月13日にISILからバグダーディー本人による音声メッセージが公表され生存が確認された [28] 。メッセージの中でバグダーディーは、「ヨルダンとレバノンを制圧し、パレスチナを解放する」と宣言した [28] 。負傷後は、治療を受けるためシリアに移動したとされる [29] 。
12月26日、ISILは7か月振りにバグダーディー本人による音声メッセージを公表し、メッセージの中でイスラエルへの攻撃を示唆すると同時に、イスラム諸国による対テロ連合を主導したサウジアラビアを非難した [35] 。
2017年5月28日にシリアのラッカ近郊でISIL幹部の会合が行われたのを狙ってロシア軍が空爆を行い、その結果バグダーディーが死亡した可能性があると同国国防省が発表している [36] が、7月にアメリカのジェームズ・マティス国防長官やロシア政府自身がバグダーディーが死亡したとする情報に否定的な見解を示している [37] [38] 。9月28日にはシリアやイラクで戦う構成員を激励する、バグダーディー本人によるとされる録音メッセージがISIL系のメディアを通じて公開されたが、録音時期はわかっていない [38] 。
2018年に入っても、生存説が議論されてきたが [39] 、2019年4月29日にインターネット上でバグダーディー本人とされる映像が公表された。
2018年頃から、アメリカやトルコ、イラクなどの関係者は、拘束した複数の幹部らからバグダーディーの所在に関する有力な情報を把握し始めた。この頃は、自身の居場所が検知されないよう、シリア北西部のイドリブ県などを転々とし、ぎっしりと野菜を積んで偽装したミニバスの車中で司令官らと組織の戦略について協議する状況にあった [40] 。
カジノ バイト 東京 [ 編集 ]
2019年10月26日にアメリカ軍のデルタフォースを含むエリート特殊部隊がシリア北西部イドリブ県 ハーレム郡 バリシャ において数週間監視下に置いていたバグダーディーに対する急襲作戦を行い、トンネル内に追い詰められたバグダーディーは自爆ベストを爆破させ、自分の子供3人を巻き添えに死亡した。15分後にDNA検査が行われ、バグダーディー本人であることが確認された。一連の作戦を映像で見守ったトランプ大統領は [41] [42] 翌27日にホワイトハウスでのテレビ演説で、バグダーディーの死亡を正式に発表した [43] [44] 。 バグダーディー死亡後の同月31日にISILは後任となるカリフにアブイブラヒム・ハシミが就任したことを発表した。
人物 [ 編集 ]
デイリー・テレグラフは、10代の頃のバグダーディーは「暴力や過激思想とは無縁で、内気な宗教学者だった」と報じている [6] 。
ロイターによると、バグダーディーはイラク人の妻2人とシリア人の妻1人と結婚しているとされている [45] が、ガーディアンの報道では、2000年にサジャー・アッ=ドゥライミー(口語発音:サジャー・アッ=ドレイミー)と結婚し、息子が1人いたが [6] 、ホムス県の火力発電所で交戦中に死亡した [46] 。また、BBCの報道では、2014年にレバノンで拘束された4〜6歳と見られる少女は、バグダーディーの娘だとされている [47] 。2019年10月にアメリカ軍に追い詰められた際には、自分の子供3人と共に最後を迎え、またこの軍事作戦により妻も死亡している [42] 。
2013年にシリア国内で拘束したアメリカ人女性、
カイラ・ミューラー
(Kayla Mueller)を監禁、暴行、強姦して妻としていたとする証言が同時期に拘束されていたヤジディー教徒の少女から得られている。カイラ・ミューラーは脱出できないまま、2015年に行われた有志連合の爆撃に巻き込まれて死亡したものと推定されている。2019年、彼女の名前はバグダーディーを襲撃する作戦(カイラ・ミューラー作戦)の名前として用いられた
[48]
2019年にアメリカ軍の作戦で死亡した際には、妻2人も同作戦に巻き込まれて死亡した。またトルコは翌月にかけてバグダーディーの姉と夫、バグダーディーの別の妻を拘束している [50] 。
脚注 [ 編集 ]
- ^ Strange, Hannah. 'Islamic State leader Abu Bakr al-Baghdadi addresses Muslims in Mosul'. 5 July 2014. The Daily Telegraph , retrieved 2 March 2017
- ^ (Press release). United Nations Security Council, SC/10405. 5 October 2011. 2014年7月20日閲覧。
- ^ Wanted Abu Du’a Up to $10 MillionRewards for Justice(2013年8月2日閲覧)
- ^ 保坂修司 (2014年12月26日). “イスラム国 恐怖統治の実態”. 時事通信 2014年12月26日閲覧。
- ^ 世界はこのままイスラーム化するのか (幻冬舎新書) 島田 裕巳 (著), 中田 考 (著)
- ^ a b c Sherlock, Ruth (2014年11月11日). “How a talented footballer became world's most wanted man, Abu Bakr al-Baghdadi”. The Telegraph 2014年12月27日閲覧。
- ^ Beaumont, Peter (2014年6月12日). “Abu Bakr al-Baghdadi: The Isis chief with the ambition to overtake al-Qaida”. the Guardian 2014年12月8日閲覧。
- ^ a b “イスラム国「謎の指導者」 その過去は”. NHKニュース. (2015年1月1日) 2015年1月2日閲覧。
- ^ “Profile: Abu Bakr al-Baghdadi”. BBC News. (2014年7月5日) 2014年12月8日閲覧。
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- ^ McCoy, Terrence (2014年6月11日). “How ISIS leader Abu Bakr al-Baghdadi became the world's most powerful jihadist leader”. The Washington Post 2014年12月10日閲覧。
- ^ Freeman, Colin (2014年6月11日). “Iraq crisis: the jihadist behind the takeover of Mosul - and how America let him go”. The Telegraph 2014年12月10日閲覧。
- ^ Greenberg, Jon. “Actor James Woods: Obama ordered the release of Islamic State leader” 2015年2月24日閲覧。
- ^ IS最高指導者の情報提供、報奨金倍増30億円に 米国務省 AFP通信(2016年12月17日)2016年12月25日閲覧
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- ^ イエメン武装勢力構成員 米が「テロブラックリスト」追加livedoor ニュース(2011年10月05日)2013年8月2日閲覧
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- ^ “'They're delusional': Rivals ridicule ISIS declaration of Islamic state”. CBS News. (2014年6月30日) 2014年7月4日閲覧。
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Bassam, Laila; Westall, Sylvia (2014年12月2日).
“Lebanon detains wife of Islamic State leader”. Reuters 2014年12月11日閲覧。 - ^ IS最高指導者の息子死亡=シリア中部の作戦で時事通信 2018年7月4日
- ^ “Lebanon 'holding IS leader's daughter and ex-wife'”. BBC News. (2014年12月4日) 2014年12月8日閲覧。
- ^ “米女性人道活動家、空爆で死亡ではなく「イスラム国」がカジノ バイト 東京 逃亡した少女3人が証言”. christiantoday (2015年9月16日). 2019年10月29日閲覧。
- ^ “IS急襲作戦名は米女性の名前、バグダディ容疑者の性的暴行被害者”. AFP (2019年10月29日). 2019年10月29日閲覧。
- ^ “「バグダディ容疑者の妻を拘束」トルコ大統領が発表”. 日本経済新聞 (2019年11月7日). 2019年11月16日閲覧。
関連項目 [ 編集 ]
- サイイド・クトゥブ - バグダーディーら急進派の理論確立に影響を与えた。