ガラクトース

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ガラクトース
ガラクトースの球棒モデル{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 26566-61-0
KEGG D04291
特性
化学式 C6H12O6
モル質量 180.08
特記なき場合、データは常温 (25°C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ガラクトース(galactose)はアルドヘキソースに分類される単糖の一種であり、Galと略記されることがある。乳製品甜菜ガム、および粘液で見出される他、ヒトの体内でも合成され各組織で糖脂質 糖タンパク質の一部を形成する。 エネルギーとなる食物である。

化学的性質 [ 編集 ]

分子式分子量C6H12O6 、 180である(グルコースと同じ)。 立体配置は2位(フィッシャー投影式で上から2番目)、5位の-OHが同じ方向、3位、4位が反対方向であり、D-ガラクトースの5位の立体配置は D-グリセルアルデヒドと同じである。グルコースの4-エピマーである。天然ではD-ガラクトースがほとんどである。

ラクトースの構成要素 [ 編集 ]

ガラクトースはグルコースと結合し二糖類ラクトース(乳糖)を構成する。

逆にグルコース、ガラクトースへの加水分解は酵素 ラクターゼによって進む(ヒトではラクトースβ-グルコシダーゼ)。

この酵素を欠く人は乳糖非耐性となり、乳中の糖類を栄養とすることができない。さらに大腸に達したラクトースが腸内細菌に分解され、ガスと腹の張りの原因となる。

人体では、乳腺でグルコースがガラクトースに変換され、両者が結合しラクトースが作られる。

生化学 [ 編集 ]

ガラクトースは通常の解糖系では分解されないため、C4をエピマー化してグルコースにする必要がある。ヒトでは、ガラクトースはウリジン二リン酸(UDP)誘導体を経由し、グルコース-6-リン酸へ変えられる。この4酵素で行われる反応はルロワール経路といい、 ルイ・ルロワールが解明した [1]

1.ガラクトキナーゼ(1)がガラクトースをリン酸化する。 2.ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(2)がウリジリル基を転移させ、グルコース-1-リン酸UDP-ガラクトースを与える。 3.UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ(3)が UDP-ガラクトースUDP-グルコースに異性化する。これは、補因子のNAD+がC4を酸化して再び還元していると考えられている。 4.ホスホグルコムターゼ(4)が、グルコース-1-リン酸 グルコース-6-リン酸に分子内転移させる。

ガラクトース血症 [ 編集 ]

ガラクトース血症は遺伝病でありガラクトースをグルコースに変換できないことで発症する。主な原因はガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼの変異である [1] 。例えば、血中のガラクトース濃度が上がると目のガラクトース濃度も上がり、ガラクチトールに還元され、これが蓄積すると白内障を引き起こす [1]

そのほかの所在 [ 編集 ]

配糖体 糖鎖の構成成分として動植物に幅広く存在する。また一部の海藻類の細胞壁にはL体も存在する。

脚注 [ 編集 ]

  1. ^ a b c 『ヴォート生化学 第3版』 DONALDO VOET・JUDITH G.VOET 田宮信雄他訳東京化学同人 2005.2.28