ビーチコーミング
ビーチコーミング(Beach combing)とは、海岸などに打ち上げられた漂着物を収集の対象にしたり観察したりする行為。漂着物を加工したり標本にしたり装飾にしたりして楽しむ。本来の意味は売り物になる漂着物を拾い集めることで、骨董の世界では「海揚がり」と呼ばれてきた [1] [2] 。
概要 [ 編集 ]
一般にはごみとして嫌われることが多い漂着物を逆転の発想で、収集して楽しむ趣向であり、一部の愛好家の間では古くからおこなわれていた。海には
日本は周囲をすべて海に囲まれ、海岸の総延長は30,2779kmあり、世界でも有数の海岸線の長さを誇る国である。日本列島にはフィリピン付近を発した黒潮(日本海流)と、その分流の
江戸時代には遭難船などの漂着物には、
奄美大島では漂着物を「ゆりむん(寄り物)」と呼び、海神からの贈り物として扱ってきた。
漂着物の種類 [ 編集 ]
casino カジノ、瓶、石、難破船、船の備品、貝、海藻、サンゴ、魚をはじめとする生物の死骸、あらゆる生活用品など [3] 。
漂着物の収集と整理 [ 編集 ]
後に記憶があいまいにならないうちに、収集したらマジックペンなどで場所と年月日を書いておく。ウミガメ、イルカなど大きなものは実物を持ち帰らずに写真で記録する。生物の死骸などの骨格標本がほしい場合は、持ち帰らず現場の砂浜に穴を掘って埋め、1-2年後に白骨化してから持ち帰る [3] 。
持ち帰った漂着物はまず水洗い後、砂や汚れを落とし、2-3日は干して乾燥させる。水分を含みやすいものなどはさらに多くの日数を要する [3] 。
魚介類、その他生物などはホルマリンやアルコール漬けにする方法もある [3] 。
注意点 [ 編集 ]
漂着物には、危険なものも多い。猛毒種のウミヘビやゴンズイ、ハリセンボン、アカエイ、ガラス片、瓶などには薬品や有害物質が入っている可能性もある。また、戦時中の爆弾、
海岸に埋蔵文化財(遺跡)があり、波に洗われ遺物が露出していた場合、漂着物とは見做せず、これを拾うことは遺失物拾得となり [5] 、持ち去ることは占有離脱物横領と文化財保護法違反となる。また、近海に海底遺跡がある場合も、当該遺跡に関与する遺物と判断されたものは流出文化財として扱われ [6] 、ユネスコによる水中文化遺産保護条約に抵触するおそれもある。
明確な海難事故の漂着物には水難救護法に規定がある [7] 。
ギャラリー [ 編集 ]
シーボーンアート [ 編集 ]
海の環境美化を推進するNPO法人日本渚の美術協会は、海岸への漂着物を使った作品を「海(sea)から生まれた(born)美術(art)」の意味から「シーボーンアート」と名付け発表している [8] 。
同協会の活動と直接の関係はないが、世界で最も美しい湾クラブが港湾の景観維持を保つための漂着物回収を促進するため、ユネスコの遺産と創造性の観点からビーチコーミングとシーボーンアートを推奨している。漂着物加工で著名な作家に
脚注 [ 編集 ]
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^ コトバンク ビーチコーミング(知恵蔵2015の解説) - ^ goo辞書
- ^ a b c d e f g 漂着物学会(ビーチコーミングとは)
- ^
a
b 漂着物学会 設立趣意 - ^ コトバンク「埋蔵物」
- ^ 文化財保護委員会(現文化庁)
- ^ コトバンク「水難救護法」
- ^ 日本渚の美術協会
関連項目 [ 編集 ]
- 漂着物
- ビーチコーミングマガジン - 1993年の創刊のサーファー向けガイドブック。
- 漂流・漂着ごみ