ボルボックス
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ボルボックス | ||||||||||||||||||||||||
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Volvox sp.
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Volvox | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
オオヒゲマワリ | ||||||||||||||||||||||||
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ボルボックス
(Volvox) は群体を形成する
以下ではもっとも研究の進んでいる V. carteri について説明する。断りのない限り、ボルボックスは同種をさすものとする。
特徴 [ 編集 ]
ボルボックスは池や川、田などの淡水に生息し、水のきれいな場所であれば普通に見られる。水田では、日向の水際のごく浅い泥の上を見つめると、肉眼でも薄緑色の粒として見ることができる。春から秋にかけて無性生殖で繁殖し、環境が悪化してくると
群体は直径数百μm程度の球状の体をしている。数千個の
無性生殖は、群体の内部に新しい群体が生じることで行われる。体細胞層の内部にはゴニディア
(gonidia) と呼ばれる生殖細胞がある。この細胞には鞭毛がなく、運動能をもたない。この細胞が体細胞分裂を行って次世代の
多細胞性の進化 [ 編集 ]
群体とは最も単純な多細胞体制であり、一つの群体が一個体である。ボルボックスは、その近縁種にクラミドモナスなどの単細胞体制をとる生物種や、後述するような様々なより簡単な群体を形成するものがあることから、比較的近年になってから多細胞化したと考えられている。 分子系統解析では、単細胞性の緑藻クラミドモナス Chlamydomonas reinhardtii と V. carteri が分岐したのは5千万年前ほどであると考えられている。緑藻の分岐が7億年前であることを考えると、ボルボックスの多細胞化は生物進化の過程から見れば比較的新しいといえる。
モデル生物として [ 編集 ]
ボルボックスのライフサイクルは実験室の条件下では48時間程度であり、光により日周期を同調させることができる。
生物学においては多細胞生物の誕生、生殖細胞の分化、形態形成などのモデル生物として用いられている。形態形成などに異常を示す突然変異体も多数単離されており遺伝学的研究が進行中である。また Jordan というトランスポゾンが発見され、これを用いた突然変異誘発も行われている。
近縁の諸属 [ 編集 ]
クラミドモナスとボルボックスの中間的な生物として、細胞数のすくないものから、テトラバエナ
Tetrabaena、ゴニウム
Gonium、ユードリナ
Eudorinaなどがある。いずれも
ユードリナは、16ないし32個の細胞が表面に並んだ球形の群体を作る。細胞間に隙間があるのが特徴である。繁殖時には、すべての細胞が細胞分裂を行い、それぞれが16(32)個の細胞からなる群体の形になった後に、寒天質を破って外に出る。パンドリナ(Pandrina)は、別名クワノミモともいい、ユードリナに似ているが、個々の細胞が、互いに接触しているのが特徴で、球形の寒天質の真ん中に、細胞塊が集まった姿である。ゴニウムは、群体が扁平で、中心に4細胞が菱形に整列し、周囲も一辺につき3細胞が整列した菱形を形成する。外側の細胞は外向けに鞭毛を伸ばし、中央の細胞は上面に向けて鞭毛を伸ばしている。
これらはいずれも浅くて富栄養な環境を好むので、ボルボックスとともに、水田ではよく観察される。
脚注 [ 編集 ]
参考文献 [ 編集 ]
- 西井一郎 蛋白質核酸酵素 2004, 49(9)1253-1264
- R. Schmitt Current Opinion in Microbiology 2003, 6:608-613
- 岩波 生物学辞典第4版(7spinカジノ表)