春
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期間
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暦による期間 [ 編集 ]
- 日本の年度での四半期ごとの区分では4月・5月・6月。英語ではこの3か月を spring quarter という。
- 社会通念・気象学では3月・4月・5月 [1] 。
- 天文学上は春分から夏至まで。ここでの「春分」「夏至」は、「春分の日」「夏至の日」ではなく 太陽 黄経が0°、90°になった瞬間。
- 二十四節気に基づく節切りでは立春から立夏の前日まで
- 旧暦による月切りでは1月・2月・3月。上に近いが、最大半月ずれる。
- JRグループの臨時列車運行上の区切りは、3 - 6月の4ヶ月間としている [2] 。
- 西洋
[3] (特に米国、ドイツなど)では一般的に春分の日から夏至の日までとすることがある。
気候による期間 [ 編集 ]
三春 [ 編集 ]
気候 [ 編集 ]
春は、寒い冬から気温が上がり始め、朝晩はまだ肌寒さがあるが、日中が次第に暖かくなる時期。 秋と並んで一年の中では最も気候の良い穏やかな季節とも言われる。雪や氷が溶け、植物が芽を出す時期である。寒さが次第に緩み、草木が萌え芽ぐみ、花々がつぼみをつけ、満開になる。日が永くなり、地中の虫が動き始める。桜が散り、次第に木々の緑が濃さを増し、暑い日が増え、やがて終わりを迎える。
日本では毎年3月が年度替わりとされ、さまざまな区切りとなる(年によって若干異なるが、テレビ・ラジオにおいて改編、法律・制度が実施されたり、政令指定都市・中核市などに移行され、合併などが多く行われ、この時期は大きな節目となる)。また、卒業式や入学・入社式、あるいは人事異動など、一般的には、出会いと別れの季節でもある。花見などはこれに重ねて扱われる。
春に採れるものは旬を参照。
日本においては特に桜の開花が文化と密接な関わりをもち、桜の開花宣言が地域ごとに出され、桜前線が北上する。
サマータイムが実施される国・地域では、春の半ば頃から時計を1時間進めることとなる。
文化 [ 編集 ]
順序 [ 編集 ]
四季の1つ。冬の1つ後の季節。言葉としては正月を新春というように、現在の感覚的には冬の事象にも使われる事がある。旧暦では一月は春となるためであろう。その関わりもあって、春という言葉には「物事の始まり、新年の始まり」の意味を持たせる場合がある。
西洋でもイタリア語の「
シンボリズム [ 編集 ]
春が到来すると、冬の寒さと長い夜による過酷で抑圧された生活から解放されることから、春の語は「雪どけ」などと同様に「抑圧からの解放、自由の空気の到来」の比喩として使用される(諸国民の春、プラハの春、アラブの春)。
また、春から初夏にかけてを木の芽時とも言い、性的活動が盛んになるものとされている。「暖かくなるとおかしな行動をとる人が増える」とも言われ、そのような行動をとるものは俗に「春な人」「頭が春な人」と呼ばれることがある。不思議の国のアリスには、「三月ウサギ」が頭のおかしいものとして登場する。
他にも春(しゅん)と言った場合には、性的なことを示す場合が多く、たとえば春画・売買春・思春期などの語がある。
枕詞 [ 編集 ]
枕詞は「あづさゆみ」。「弓を張る(はる)」にかけた。
春の行事 [ 編集 ]
・春分のひ
- 花見
- 雛祭り(桃の節句)
- ホワイトデー
- 卒園式・卒業式(3月)
- 入園式・入学式・入社式(4月)
- 灌仏会(花祭り、とも) 釈迦の生誕を祝う祭
- 端午の節句、こどもの日(5月)
- イースター
- ゴールデンウィーク
- 母の日
- 父の日(6月)
生物的自然 [ 編集 ]
春は生物の動き始める時期である。温度が上がり、日差しが強くなり、植物の活動が始まる時期である。
農業 [ 編集 ]
日本では主要作物であるイネの植え付け準備に当たる時期である。初冬から水田ではレンゲが緑肥として栽培され(現在ではほとんど見ない)、田起こし、苗代作りなどが続く。田植えは初夏の行事であるが、早いところでは本州でも四月に始まる。
梅や桃の開花も春である。他に、菜の花も代表的な春の畑の風景である。
植物 [ 編集 ]
多くの植物はこの時期から葉を伸ばし、栄養を蓄えてから繁殖を始める。花の時期は植物によって様々ではあるが、特に春はほとんど花のない冬の後であることもあり花の季節との印象がある。特に、この季節にだけ発生する植物・昆虫類を総称してスプリング・エフェメラルと呼ぶことがある。
日本では梅・桜・ 桃が春の花の代表であり、それぞれを対象として花見が行われる。フクジュソウの花は現在では冬と位置づけていい時期に咲くが、これも新春の花と認識されていた。
現在では園芸植物では球根系のチューリップ・ヒヤシンス・アネモネなども春の花の代表と認識されているが、これらは元来はヨーロッパのスプリング・エフェメラルであった。
なお、実際の開花時期は当然ながら地域によって異なる。特に寒冷地ではそれが遅くなる。たとえばミズバショウは「夏の思い出」に唄われるが、これは現地では春早くに当たる。また、単に遅くなるだけでなく、その期間が圧縮される。先の例では梅、桃、桜は本州南部では順に2月、3月、4月に咲くが、これらは東北地方ではほぼ同時に咲く。
他に杉などの花粉は健康被害をもたらすことがあり、花粉症として知られている。春はまた、新芽の伸び始める季節でもあり、常緑樹の場合、落葉はこの季節にも多い。
動物 [ 編集 ]
このように柔らかな植物や花が多いことから、またそれを食べる昆虫などの活動も盛んであることから、多くの
なお、
春を題材にした作品 [ 編集 ]
文学 [ 編集 ]
和歌など [ 編集 ]
音楽 [ 編集 ]
日本の古典
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- 『春鶯囀』雅楽(唐楽)
- 『春庭楽』 雅楽(唐楽)
- 『春過(はるすぎ)』 雅楽(朗詠)
- 市川検校 『春風』 長歌物地歌曲
-
松浦検校
『里の春』
手事物地歌、
箏曲 - 松浦検校 『嵯峨の春』 手事物地歌、箏曲
- 菊岡検校 『長等の春』 手事物地歌曲
- 菊山検校『春の曙』 手事物地歌、箏曲
- 幾山検校 『春の契』 手事物地歌、箏曲
- 幾山検校 『磯の春』 手事物地歌、箏曲
- 吉沢検校 『春の曲』(箏曲。古今組の一曲)
- 古川龍斎 『春重ね』 手事物地歌、箏曲
- 富崎春昇 『春の江ノ島』 箏曲
- 宮城道雄『春の海』箏、 尺八二重奏曲
- 宮城道雄 『春の夜』箏曲
- 宮城道雄 『春の訪れ』 箏、尺八二重奏曲
- 久本玄智 『春興』 箏二重奏曲
- 久本玄智 『春の恵』 箏、尺八二重奏曲
- 久本玄智 『春の初花』 箏曲
- 『春雨』 端唄
- 『梅にも春』 端唄
- 杵屋正邦 『春興』 三弦二重奏曲
- 長沢勝俊『萌春』 箏、三弦二重奏曲
クラシック音楽 [ 編集 ]
- ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』 - 「春」
- モーツァルト:歌曲『春』『春への憧れ』
- ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番 『春』
- シューマン:交響曲第1番 『春』
- ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『春の声』
- ドビュッシー:交響組曲 『春』
- ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
- グリーグ:『春に寄す』(ピアノ曲集「抒情小曲集」第3集 作品43の第6曲)
- ベンジャミン・ブリテン:『春の交響曲』(作品44)
- ピアソラ:『ブエノスアイレスの四季』 - 「ブエノスアイレスの春」
童謡 [ 編集 ]
- 『春が来た』:高野辰之作詞・岡野貞一作曲
- 『春の小川』:高野辰之作詞・岡野貞一作曲
- 『春よ来い』:相馬御風作詞・弘田龍太郎作曲
- 『早春賦』:吉丸一昌作詞・中田章作曲
- 『春のうた』:野口雨情作詞・草川信作曲
[4] - 『花』:竹島羽衣作詞・瀧廉太郎作曲
- 『春を呼ぶマーチ』:阪田寛夫作詞・大中恩作曲 [5]
- 『春の川で』:青木爽作詞・エミール・ワルトトイフェル作曲 [6]
他に、直接には春に言及しないが、
流行歌 [ 編集 ]
- 有島通男 「春まだ浅く」
- 岡晴夫 「国境の春」
- 菊池章子 「春の舞妓」
- 霧島昇・二葉あき子 「春小袖」
- 楠木繁夫・菊池章子 「戦いの街に春が来る」
- 志村道夫 「春は朗らか」
- 千早淑子(松島詩子の変名) 「泪の春」
- 月村光子 「春の唄」
- 藤山一郎・二葉あき子 「春よいずこ」
- 藤山一郎・
渡辺はま子 「春を呼ぶ自転車」 - 藤山一郎 「春の花束」
ポピュラー系 [ 編集 ]
絵画 [ 編集 ]
発車メロディ
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- JR東日本
- 春(正式名称は「周辺3番」。ユニペックス製作)
- 春〜NewVer〜(サウンドファクトリー製作)
- 春一番(櫻井音楽工房製作)
- 春待ち風(櫻井音楽工房製作)
脚注 [ 編集 ]
- ^ “温暖化で日本の四季に変化 「梅雨」が季節になる可能性も”. NEWSポストセブン (2020年12月7日). 2021年1月4日閲覧。
- ^ 『』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2018年1月19日。 の2018年8月26日時点におけるアーカイブ 。 2018年8月26日閲覧。
- ^ http://www.almanac.com/content/spring-equinox-2017-first-day-spring
- ^ “春のうた(詞:野口雨情/曲草川信)/Hoick楽曲検索~童謡・こどものうたを検索!~”. Hoick[ホイック] ~保育士・幼稚園教諭のためのWebサイト~. 2023年9月25日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “春を呼ぶマーチ”. NHK みんなのうた. 2023年9月25日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “春の川で”. NHK みんなのうた. 2023年10月24日閲覧。